2015年2月19日木曜日

留学に語学力は必要か?

はじめまして。東京大学経済学部三年から、エコール・ポリテクニークに留学中の、吉越文と申します。

 

エコール・ポリテクニークは、数学で有名な理系のグランゼコールです。どの授業をとっても数式だらけ、文系出身の私はだいぶ苦労しています。

しかし、最も大きな障壁となったのはやはり「語学」でした。

 

留学に語学力は必要ない、気持ちがあれば伝わる、生きていける・・・そういう話をよく耳にします。確かに、身振りや表情といった、非言語コミュニケーションの力には驚かされます。

とはいえ、言葉がわからなければ、先生の指示もわからないし、大事な契約書だって読めません。留学先にもよるのでしょうが、私の場合は、授業から事務手続きまで、何もかもがフランス語だったため、語学力がなければ日常生活を送ることもままならないのだ、と強く実感させられる毎日でした。

 

フランス人と交流し、留学を楽しもうと思うならなおさらです。

フランス人は、日本で思われているより親切で、つたないフランス語でも耳を傾けてくれます。しかし、もし全くフランス語ができなければ、コミュニケーションの取りようがありません。身振り手振りで伝えられる情報には限界があります。

 

では、語学が苦手だからといって、留学を躊躇してもいいのか?

本校には、大学間の協定によって、フランス人と同じように一年次から入学してくる外国人が一定数います。彼らはフランス人と同じ授業をフランス語で受け、同じ試験に挑み、同じ条件でインターンを探し(本校ではインターンが必修です)、同じ条件で就職活動をします。

興味深いことに、渡仏が決まる前にフランス語が少しでも話せたという学生はごく少数なのです。入学直後には、外国人学生向けに、フランス語の集中特訓期間も設けられているものの、それだけですぐに話せるようにはなりません。誰もが不利な競争の中に放り込まれ、揉まれながら語学を身につけていくのです。

 

現地に飛び込んで学んでやるという、無鉄砲とも思えるバイタリティを、日本の学生も持っていいのではないかと思います。日本人は語学が苦手だ、文法重視の教育だから話せるようにならない、とよく言われますが、逆にいえば、海外に飛び出して話す・聞く訓練を詰めば、文法的にミスのない、綺麗な言葉を操ることができるようになるはずです。

 

なぜこんなに留学を勧めるのかというと、本校では英語の授業が(学部生向けには)準備されていないため、日本からの留学生がほぼいない(学部には私一人、マスターに一人のみ)のです。

この記事を読んで少しでも「語学の壁なんて壊してみせる!」と思われた方、ぜひエコール・ポリテクニークへの留学をご検討くださいね!

 

というわけで写真は、本校が所有する館で行われたパーティーのもの。後ろの学生たちが着ている黒い服は、パリでは有名な、ポリテクニークの制服です!

吉越 写真

 

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