2015年2月11日水曜日

放課後の過ごし方 ~ボルドー編~

 

こんにちは、はじめまして、ボルドー政治学院に留学中の東京外国語大学3年の十川優香(そがわゆか)と申します。フランスに来てはや半年近く、留学生活も後半戦に突入しました!ボルドーの魅力、ワインが美味しい話、南西部を旅行した思い出、日々のカルチャーショックなどなど、ご紹介したいことはたくさんあるのですが、まずは留学生活の大半を占める大学の授業のことから。今期の授業を一部ご紹介すると…

 

Introduction à la politique économique (1年)「経済政策入門」

ミクロ経済の授業。先週は「価格変動に需要がどれぐらい反応するか(弾力性)」について、お昼前にも関わらず先生がバゲットやピザの例を用いて説明したので空腹に拍車がかかりました(笑)

 

Introduction à la sociologie générale(1年・週2コマ)「社会学入門」

社会学創設の歴史から各社会学者の理論まで細かく解説がなされ、学生にも人気の授業です。E.Durkheim(仏社会学の創設者)寮に住んでいるという理由だけで受講を決めたのはここだけの話です…

 

Economie monétaire(3年・週2コマ)「金融経済」

貨幣の誕生から貨幣経済が確立されるまでの過程、中央銀行の役割などを学んでいます。先生はほとんど板書をせず、ジョークを交えながらずっと説明を続けるのでなかなか辛いですが、先生のジョークが理解できず笑いに包まれた大講義室に取り残される瞬間が一番辛いです…( ;∀;)

 

Intégration économique européenne(4年)「欧州の経済統合」

4年(日本の修士1年)の授業は大半が小教室で、内容も専門的になります。この授業は「ユーロ導入」や「農業政策」などの小テーマのプレゼンが中心です。ちなみに私の発表テーマは先生に「これなら専門的じゃないから大丈夫じゃないかな」と提案して頂いた「EUの将来」…全然大丈夫ではないですが、頑張ります(涙)

 

Economie africaine(4年)「アフリカ経済」

実はボルドー政治学院にはアフリカ(と社会学)研究の拠点があり、この授業は修士のアフリカ開発コースの授業のようです。授業前に指定された資料を読み、授業中は議論中心ですが、まだ議論に参加するレベルには達しておらず、毎週授業前に友達と集まって資料を読み合せるなどして奮闘中です。

 

※その他(去年同じ大学に留学していた先輩方も授業をいくつか紹介していらっしゃるのでぜひご参照ください^^)

Régulation monétaire internationale(4年)「国際通貨の規制」

Migration internationale(4年)「国際移民」

Certificat Etude Politique(留学生向け仏語の授業・週3コマ)「政治学入門コース」

 

興味のある授業を好きなだけ勉強できるのは本当に幸せなことです!しかし、フランス語で専門的な授業を受けるのは未だに大変だし、復習はどれも語彙調べから始まるのでかなり地道な学習を求められます。とはいえ、留学生活は勉強ばかり、大変なことばかりではありません!例えば平日の放課後は、自由に時間を使える楽しいひと時だと思います^^フランスならではの経験も交えながらここからは放課後の過ごし方についてご紹介していきます~

 

①    お買い物

トラムに乗れば中心街、世界遺産までわずか20分です!学校は朝早い分夕方に終わることが多いので放課後も気軽に買い物に行くことができます。ちなみに先週後半は「売り尽くしセール」なるものをやっていて、70€の靴を20€でゲットしました!(笑)

 

②    スポーツ

正確には学校の体育の授業なので放課後ではありませんが、授業が午前で終わる平日の午後にテニスとヨガの授業に参加しています。学校まで徒歩1分の寮に住んでいるので、貴重な運動時間になると共に、いろんな学生と知り合う機会にもなるので楽しいです^^ちなみに空手やカンフー、ロッククライミングの授業もあり、かなり種類豊富です。

 

③    サークル (l’association)

フランスのサークルは日本のように活動日が決まっているわけではなく、イベントが開催されるごとに自由に参加する形です。私は料理とアジアに関心のある学生が集まるサークルに時々参加していますが、料理サークルでは料理学校にアキテーヌ地方(南西部)の料理を習いに行く機会もありました^^(濃い味派の先生だったのかもしれませんが、調味料の使い方が大胆で衝撃を受けました…)2月下旬にはサークル合同の文化祭なるものも開かれるようで、こちらも楽しみです~!

 

④    講演会 (la conférence)

文化系サークルが隔週でゲストを招き、学生は自由に聴きに行けるイベントです。放課後にも関わらず毎回大講義室に満員近くの学生が集まり、チベットの大使や中国で働くフランス人記者など、普段会えない人の話を聞くことができます。先週の講演会ではFrance Inter(ラジオ局)の記者(卒業生)が招かれ、Charlie Hebdo事件後の心境やSNSを通じて情報があまりに速く拡散される危うさについて話してくださいました。

 

⑤    ソワレ (la soirée)

日本語に訳すと「飲み会、パーティー」です。たいてい木曜か金曜の夜9時ぐらいから友達とバーやお家に集まって一緒に飲んだり食べたりしながらいろんな話をして過ごします。定時に始まることは絶対にありません(笑)もちろん留学生の小クラスやサークルで集まってのソワレも賑やかで楽しいですが、個人的には時々同じ寮の友達と約束して持ち寄りご飯をするのもソワレと同じぐらい好きだったりします!

 

⑥    ワイン

これはボルドーでの生活を紹介するうえで欠かせない要素だと思うので少し詳しく紹介します(笑)政治学院にはワインサークルが存在し、サークルに登録していない人でも約3€払えば隔週で開かれるワインの試飲(la dégustation)に参加できます。会場は授業が行われる大講義室!

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(ワイン教室)


 

試飲とはいえ4~5種類を立て続けに飲むのはなかなかハードなものです(笑)初めて参加したときはかなり酔ってしまいました…。ちなみにこの試飲会にはワイン学校の講師が呼ばれ、各ワインの特徴からワインを飲む作法、ワインの流通事情まで解説してくださいました。さらに、上に記述した留学生向けの仏語授業でも、ワインがテーマとして何度か取り上げられ、クラス全員でミュージアムを訪問する機会もありました。渡仏前は「ボルドーとはいえばワイン」くらいの認識しか持っていませんでしたが、ボルドーにおけるワイン産業発展の背景にイギリスによるフランス支配の歴史があったこと、現在は中国人がワインシャトー(土地)を買い進める動きもあるなど、ワインを通して今まで知らなかったフランスの側面を知ることができたのはボルドーに留学して得られた大きな収穫であると思います。

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(ワインミュージアム)


 

長くなってしまいましたが、フランスでの留学生活の大変な面も楽しい面もお伝えできたでしょうか?^^

放課後に限らず、日本とは全く異なる環境で自由な時間を過ごすことは、自分の行動や興味の範囲を広めるきっかけになり、日本に帰った後の自分にも良い影響を与えてくれそうです。また、それは学問においても同様で、例えばフランスで課題とされている移民や宗教の問題が日本では少し見えづらいだけで日本の問題でもあると気づけたように、自国に対しての問題意識、当事者意識を強められたことは留学の成果の一つになりそうです。

最後に、先月旅行した南西部の写真にてブログを締めくくらせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました^^

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(ピレネー山脈でのスキー)


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(トゥールーズ:フランス第4の都市で「バラ色の街」と呼ばれる。)


 

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(アルビ:司教都市で世界遺産。レンガ色のかわいい街。)


 

 

文責:十川優香

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