2014年1月31日金曜日

ル・アーヴル紹介


お久しぶりです。高橋です。課題や試験に追われて更新が停滞してしまい、前回の記事から大分時間が経ってしまいました
いつの間にかもう前期が終わってしまい、冬休みを挟んで先々週から後期に突入しました。時が経つのは本当に早いものです。

さてさて、今回は私が住むル・アーヴルという街にについて簡単にご紹介できればと思います。

世界遺産の街、ル・アーヴル
ル・アーヴルはフランス北西部、オート=ノルマンディー地方に位置し、「Havre」はフランス語で「港」を表し、その名の通りフランスの有名な港町です。
街自体はトラムが走っていたり、ガラス張りのビルが建っていたり、と非常にモダンです。皆さんが思い描く「フランス」の景色とは大分かけ離れています。
それもそのはず、実はル・アーヴルは第二次世界大戦時に街のほとんどが焼け野原となってしまったようです。
その後、オーギュスト・ペレという建築家によって街全体が再建され、その優れた都市計画が讃えられ、現在は街自体が【世界遺産】に登録されています。
(しかしながらペレはコンクリートを用いて再建した事もあり、街自体は先程も述べたようにフランスらしくはなく、観光する場所も特にないので観光のためだけに来る事はあまりお勧めしません()

食事
ノルマンディーなだけあり、海鮮はとても美味しいです。街の中心部にあるレストランではムール貝や魚のグリル等、種類豊富な魚介類の料理が楽しめます。
3人でわけても満足のいくムール貝の量!
未だになんの魚か分からず()意外にも骨がないんです。
しかし、レストランにいつも行ける程学生はお金がある訳ではないのが残念な事実。アラブ系のフランス人が多いこの地域ではケバブの店がとても多く、軽食を取れるところがケバブかパン屋しかないのでは?というくらいケバブ屋ばかりです。普段はそういったファストフード的なところで済ませたり、もっぱらスーパーで買ったもので自炊をしたりするのがここの学生の主な食事のスタイルとなっています。
ケバブとフレンチフライ。約4ユーロ。
気候
イギリスの気候に似て曇りの時が多いです。また、海沿いという事もあり風が強い上に天気が変わりやすく、突然雨になる、なんて事がよくあります。ル・アーヴルの雨は容赦がなく、夏冬関係なしに強い風+強い雨が降るのでまるで台風のような雨が降ります。折りたたみ傘はすぐひっくり返るので、現地の人の多くはレインコートを着て雨を凌いでいます。(私もこちらに来てから如何に傘が役に立たないかを思い知らされたのでフード付きの長めの丈のレインコートを日本から送ってもらいました。)
もちろん晴れる時はとことん晴れ、強い日差しと共に真っ青な空が見られるので、そのような日は気分もとても明るくなります。(私のフランス語の授業の先生によると2013年は例年より晴れが多い珍しい年だったようです)
物凄い曇りの日。
クロード・モネ
補足情報なのですが、ル・アーヴルはかの有名な印象派の画家【クロード・モネ】が暮らした場所でもあり、彼の「印象・日の出」という作品はル・アーヴルの港を描いたものであります。
また、ル・アーヴルからバスや電車で1時間程行ったところに【エトルタ】や【ルーアン】といった有名な街もあります。(モネの絵を通してご存知の方も多いのではないでしょうか。)
 エトルタの断崖
ルーアンの大聖堂

そして、ル・アーヴルに暮らしていて常々感じる事は【空がとても綺麗だ】という事です。日本にいる頃はモネの描くピンクがかった空や印象派に多く見受けられる霞がかった空が非現実的なものだと思っていたのですが、こちらに来てから空が本当にピンク色な時があり、毎日刻一刻と鮮やかに変わる空の様子に実際にモネの絵画の中を生きているような気分になる事がよくあります。
学生が通学途中にスマホを空にかざして写真を撮っている、なんて所にもよく遭遇します。(まあ、私もそのうちの一人な訳ですが()
通学路にて
ル・アーヴルの海岸にて
夕方の学校の前にて。もちろん加工なしです!

まだまだお伝えしたい事もあるのですがなんせ久しぶりの投稿のため、長くなってしまったので今回はこの辺で!
次は学校生活について触れられたら良いな、なんて考えております。

それでは、次回まで皆さんAu revoir!


高橋

自己紹介&留学先紹介―グルノーブル

 はじめまして、京都大学3回生の野口峻哉と申します。9月から1年間の交換留学でグルノーブル大学連合のピエール・マンデス大学というところに来ています。今回は初めての投稿なので、僕の留学先であるグルノーブルと大学の紹介を簡単にさせていただきたいと思います!

まずはグルノーブルについて紹介します!
グルノーブルは、リヨンと同じローヌ・アルプ地方に属し、地方の名前からもわかるように山に囲まれた自然豊かな街です。リヨンからは約1時間半、パリからでも直通のTGVに乗って約3時間でグルノーブルに到着することができ、またスイスやイタリアにも近く、交通の便利な場所に位置しています。
グルノーブルのメインとなる駅。パリ・リヨンなど大都市とつながる
グルノーブルには観光するような場所はほとんどなく、観光地としては有名ではないと思いますが、1968年に冬季オリンピックが開催された都市として有名で、スキーなどウィンタースポーツをするのに便利な街として知られています。市内の数少ない観光スポットとしてはバスティーユ城塞があり、ここからグルノーブルの街並みと周囲の山々を一望することができます。今の季節は晴れた日には雪が積もった山々を見ることができ、非常に美しいです。
城塞からの眺め

グルノーブルの周りでは、リヨンはもちろんのこと、自然を楽しむことのできるアヌシーやシャモニー、そして遺跡や地中海を楽しめる南仏など、さまざまな特徴を持った街があり、週末などに周りの街へ足を延ばすのにも楽しい場所です!
グルノーブル自体はそれほど大きな都市ではないですが、学生が多いことから活気があり、自然に恵まれた地域であるため、留学や生活する場所としてはとても魅力的なところだと思います!



次に大学の紹介をします!
僕が留学しているグルノーブル大学連合は分野の異なるいくつかの大学で構成されていて、僕は地理学を勉強しているので、法・経済・人文科学を学べるピエール・マンデス大学に所属しています。複数の大学で構成されているため、学生の数も多く、留学生も多く受け入れています。
昨年度まで、留学生にはゲストプログラム(前期の授業はフランス語やフランスの社会や文化についての授業がすでに組まれているもの)と呼ばれるプログラムがありましたが、今年度からはそのプログラムがなくなったようで、前期からすべての授業を自ら選択するようになっています。留学生は専門とは異なる授業もとることができ、語学の授業は言語・文化系のスタンダール大学や、付属の語学学校CUEFCentre Universitaire d’Etudes Françaises)で受けることができます。専門の授業は講義のCMと少人数の授業TDで構成されています。僕の所属する人文科学ではあまり英語の授業は充実しておらず、地理学には英語の授業はないので英語は歴史の授業をとっていました。ですので、専門の授業は多くはフランス語での授業をとることになると思います。グルノーブル大学はスポーツの授業が充実していて、スキー場が近いためスキーの授業もたくさんあります。僕はスキーができないので、ハンドボールの授業をとっていますが、この授業はほとんどがフランス人の学生でフランス人の友達も作りやすいのでスポーツの授業はおすすめです!
キャンパス内
最後に大学での生活について書きます。大学のキャンパスは市の中心部から少し離れていますが、大学の中までトラムが通っており市の中心部や駅まで20~30分で行くことができます。また自転車を借りている学生も多く、起伏が少ない街なのでそれも便利だと思います。大学の近くには大きいスーパーがあり、到着したその日でも生活用品をすべて揃えることができ、普段の買い物にもとても便利です。
大学にはInteGreと呼ばれる、到着後のキャンパスや街の案内、Soiréeや週末の旅行など留学生のためのさまざまなイベントを企画してくれる団体があります。イベントの情報等はFacebookを通して得ることができ、他の留学生と交流するすごくいい機会なのでグルノーブル大学に来られる方はぜひ参加してください!

次回からはグルノーブルや大学での授業についてそれぞれより詳しく書いていきたいと思います。

では!

2014年1月20日月曜日

ボルドーからこんにちは!

はじめまして!
ボルドー政治学院に留学中の稲田貴季(いなだ たかとき)と申します。この漢字で「タカトキ」です。珍しいでしょう?ほほほ。現在、東京外国語大学外国語学部フランス語専攻3年でヨーロッパ国際関係論を勉強しています。このボルドー政治学院には2013年9月1日から派遣(交換)留学生として在籍しています。

さて記念すべき一発目は!ちょっと自己紹介をしてボルドーの生活について簡単に書いてみようかと思います。

なぜ Sciences Po BDX に留学を?
 僕は元々「フランス語」を入り口にして、政治学や国際関係論、特にフランス外交とEUの分野を専門的に勉強したいと考えていました。政治や経済、法学など社会科学に特化しているSciences Po は僕にとってまさに魅力的な学校だったのです。なぜボルドーを選んだかという質問にははっきり答えられないのですが、正直に言うと、パリの家賃の高さと物価の高さに驚愕したというのが大きいです。それからボルドーには大学生が多く集まってくることから、(なんとなく)Sciences Po Bordeauxを志望しました。ボルドー大学は第1〜4があり、シアンスポは第4の隣にぽつんとたたずんでいます。パリのシアンスポに比べるとかなり規模は小さいですが、その分アットホームですし留学生へのサポートはとても厚いように思います。フランスにはパリだけではなく9つのIEP(政治学院)がありますので、、みなさんもSciences Poへの留学を検討してみてはいかがでしょうか。

SCPOでの留学生活や詳しい話はまた次回!ということで、ボルドーの雰囲気について僕の主観盛り沢山でお届けします笑
ボルドーの街はとってもいいところですよ!開放感たっぷり!建物も洗練された佇まいで、街自体もとても綺麗です。個人的には、「住みよい街ボルドー」という文句がすごくしっくり来ます笑 詳しくは李さん(同じくボルドー政治学院留学中)の初回の投稿をご覧ください。きっとボルドーのよさを分かっていただけると思います。
ボルドーにちょっと訪れただけだと、「ふーん、ボルドーね。」と思う程度かもしれません。正直僕も最初にパリからボルドーに来たときはこじんまりした雰囲気に少しショックを受けましたが笑、ボルドーの良さに気づいた今は本当にこの街が大好きです。ちなみにボルドー人もボルドーが大好きで、彼らはだいたい「パリなんかよりボルドーの方が断然いいでしょ!」と言います。かわいいです笑
ガロンヌ側のほとりで
特にここに来てしばらくは「ボルドーは気に入った?」とよく聞かれました。「街もきれいだし人も優しいから大好きだよ」と言うとみんなとっても喜んでくれます。本当なので試してみてください笑  実際、体感だと人も優しいです(特にパリの人に比べると...)
ところで世界遺産となっているボルドーの旧市街はもちろん素敵ですが、電車で40分ほどでArcachonという駅に行くことができます。海辺のきれいな街なので暖かい季節にぜひ行ってみてください!白くて清潔な建物と広大な大西洋を前に読書、なんていうのもなかなか粋ですよね笑 また近くには有名な砂丘もあります。
Arcachonの海辺
ボルドーは基本的に空気が乾燥しているので、暑い日でも「汗でベタベタ」なんてことはまずないです。海辺にいても体がべたついたりしません。すばらしい。東京の夏に比べると......。ここは本当に過ごしやすい環境ですよ!快晴であることが多く、冬も割とあったかいです。この「気候」もボルドーの美しさ(そしてワインの美味しさw)に大きく影響していますね。
まとまりのない文章になってしまいましたが、読んでくださったみなさんありがとうございます。次回からはボルドー政治学院での留学生活について詳しくご紹介していきたいと思います。次回をお楽しみに!
それではまた!
稲田 貴季  Takatoki INADA

2014年1月16日木曜日

自己紹介&ボルドー街紹介

みなさんこんにちは、はじめまして!
東京外国語大学外国語学部フランス語専攻3年の、李すばい(り すばい)と申します。
昨年度9月より、ボルドー政治学院、通称Sciences Po Bordeaux(シアンスポ ボルドー)に派遣留学をしています。
初めての投稿ですので、今回は留学先であるボルドーの街紹介を少しだけしてみます!

ボルドーはパリからTGV3時間ほど南西へ下った場所、大西洋近くにあるフランス有数の大都市です。
多くの方が「ボルドー」と聞いた時、真っ先にワインを思い浮かべることでしょう。
実際ボルドーは赤・白ともにワインが大変有名で郊外に数多くの広大なぶどう畑を有し、街のそこかしこにワイン専門店があり、市の観光局では日帰りのシャトー巡り&ワインの製造工程見学&試飲ツアーを頻繁に開催しており、誰でも気軽に参加できます。

私も昨年、ボルドー近郊のサンテミリオン(Saint-Emilion)という赤ワインの名産地にツアーを利用して行ってきました(^o^)
サンテミリオンの街並み
ぶどう畑
ワイナリー
赤ワインを試飲
スーパーマーケットでは廉価で品ぞろえが豊富かつ美味しいワインを簡単に入手することができるうえ、何と大学にも学生向けのワイン講座サークルが存在するのです!
実は私は留学前までワインが大嫌いだったのですが、ボルドーに来たら飲めるようになりました!今ではワイン大好きです。これぞボルドーマジックですね。
とにかく、ワインはボルドー市民には身近で欠かせない存在なのです。

ワインの陰に隠れてしまいがちですが、私がお伝えしたいのは街並みの美しさです。
実はガロンヌ川沿いのボルドーの中心街は世界遺産に登録されており、市も景観保護にかなり力を入れています。
例えばボルドー市内と近郊にはトラムが3路線走っていますが、ボルドー中心街ではトラムに配電するための電柱と電線が姿を消し、レールから直接電力供給が為されています。

ボルドー市内で1番有名なサンタンドレ教会(la catédrale Saint-André)と、その脇を通るトラムB線。ご覧の通り電柱と電線がありません。 


極めつけはトラムC線のPlace de la Bource駅。この駅の目の前には「水の鏡」(Le miroir d’eau)と呼ばれる観光名所があるのですが、景観保護のため駅名が書いていないのです!
地面より少しだけ盛り上がったホーム(と思しき場所)があるだけ。ホームといっても何も表示がないのでトラムが来るまでそこがホームだと分かりません…

車道と噴水の間にトラムの駅があります!駅だと全然分かりません!
ボルドー市、がんばりすぎです。笑

市が景観保護に力を入れているだけあって、この「水の鏡」、本当に感動的なんです…
広場に薄く水を張って、そこに景色を反射させるのです。考えた人は天才です。


「水の鏡」では市民が思い思いに水遊びをしたり、定期的に広場から吹き上げるミストに隠れて遊んだり、すぐ横のガロンヌ川沿いをランニングしたり、老若男女問わず川辺で談笑などをしており、美しい憩いの場となっています。
「水の鏡」以外にも、パリのオペラ座のモデルになったとも言われる大劇場(le grand théâtre)や、プラタナス並木の下をトラムが走り抜けるカンコンス広場(l’esplanade des Quinconces)、ボルドー最古の教会であるサンタンドレ教会や旧市街の裏道など、風光明媚な場所が多々あります!

サンタンドレ教会(la catédrale Saint-André)
カンコンス広場 
大劇場
またボルドーはフランス屈指の学生街でもあり、人文科学系・政治経済系・理系から美術・音楽系までありとあらゆる高等教育機関が揃っています。そのためか学生に対するサービスはかなり良く、多くのレクリエーションが存在し、勉学に適している暮らしやすい街であるともいえます。まさに「よく学び、よく遊ぶ」です。
首都・パリに比べるとやはり規模は小さい街ですが、街の人々はみな気さくで優しく、地方であるため物価は安く、空気が綺麗で空間を贅沢に使ったスペースが多く、短期間の観光よりは長期間住むことで良さを実感できる街だなあ、と思います。

フランスにお越しの際はぜひボルドーへお立ち寄りください!
次回は私の通う学校、ボルドー政治学院についての記事を書く予定です。


李 すばい / Sibei LI

2014年1月4日土曜日

ご挨拶&ご紹介―レンヌ

こんにちは、はじめまして。フランス北西部ブルターニュにあるレンヌというところで語学留学中の、志村響と言います。今回は初めての投稿なので、簡単に自己紹介と、僕が住んでいる街レンヌ、それから今通っている語学学校CIREFEについてご紹介します。

まずは僕についてですが、首都大学東京の2年生で、専攻は心理学です。ということで、フランス語とは本来ほとんどなんにも関係ありません()。人生わからないもので、気付いたらフランスにいました。まぁそういうことです、それでは次!

 
レンヌ市庁舎
 冒頭でも触れましたが、ここはブルターニュ地方の中心都市です。モン・サン・ミッシェルはご近所さんで、パリから観光に行く場合ほぼ間違いなく経由することになるのがここレンヌ。中心都市と書きましたが街の規模としてはとってもコンパクトで、観光スポットもあるにはありますが半日あれば全て周れてしまうし、観光というよりは住むのに適したところでしょう。治安のよさもフランスの都市の中では一番だそうで、ブルターニュ独特の木造家屋が軒を連ね、心地よい石畳が街を縫う素晴らしく落ち着いたところです。メトロは街に一本しかないというのに混み合うこともまずないし(現在二本目の路線の建設中ですが)、それでいて必要なものはすべて手に取る範囲にあるので、なんらストレスを感じることもなく(東京の千分の一くらいかな笑)、自分のペースで生活を送ることが出来ます。
 
旧市街の路地
一方、レンヌには学生都市としての顔もあり、たくさんの学生がいて彼らのバイタリティーに溢れています。静謐さと活気がいいバランスで共存しているのがこの街のすごいところ。まぁ、木曜の夜は“jeudi soir”として名を馳せていて、レンヌ中の若者が一同に会して飲み狂うので静けさの欠片もありませんが()。その辺り一帯は“rue de la soif(渇き通り)の異名を持ち、木曜の夜に通りかかると、あれ、レンヌってこんなにたくさん人いたんだっけ?という錯覚に襲われます。僕はちょっとご遠慮ですがお好きな方はどうぞ。ちなみに何で木曜日かというと、金曜の夜には親元へ帰省する学生が多いため。何をそうやることがあるのか知りませんが、こっちの学生は本当にしょっちゅう帰省します。金曜がだめなら木曜!翌朝への影響もお構いなし、システマティックで美しいですね()


ともかくそういうことなので、ここに住んでいて退屈することもありません。芸術も盛んでイベントは絶えないし、食も魅力的。ブルターニュと言えば誰もが思い浮かべるのがクレープ、そしてそば粉で作ったガレットですね。あとはお菓子のクイニ―・アマンなんかもブルターニュ発祥だそう。もちろん全部レンヌで食べることが出来ます。それから食と言えば忘れちゃいけないのが土曜のマルシェ。“渇き通り”を降りたところにリース広場という大きな広場があり、そこで毎週土曜の午前に市が開かれます。この市は“Marché des Lices(マルシェ・デ・リース)”と呼ばれその歴史は長く、フランス有数の規模とのこと。だいだいどんな食品でも手に入り、肉や魚は高いですが野菜や果物は安いです。フロマージュ(チーズ)やワイン、パンや菓子類ももちろん充実。新鮮だから美味しいし、行ってみないとわかりませんがとても楽しいです、これ。フランスいいなぁってなります。
マルシェ・デ・リース
さてさて、褒め倒したところでそろそろレンヌの悪いところでも紹介したいところですが、これと言ってありません()。まぁ雨が多いことくらいでしょうか、雨は多いです。というか本当にコロコロ天気が変わります、日本じゃ考えられないくらい。特にこの季節はどんよりしていて、あんまり愉快じゃないですね。でも緯度の割にそれほど寒くはありません。気候帯の影響ですね、雪もほとんど降りません。あとは…、レンヌの外に出ようと思ったらやや面倒です、だいたいどこに行くにもパリを経由しないといけないので。そのくらいかな?総じて素晴らしい街です。ここに住む人はみんなレンヌが好きです。
タボール公園

それでは次に、僕が通っている語学学校CIREFE(シレフ)について紹介します。正式名称を “Centre International Rennais d’Etudes de Français pour Etrangers”と言って、頭文字をとってCIREFE。位置付けとしてはレンヌ第二大学の付属なので、校舎もそのキャンパス内にあります。ここでは、DELFDALFに準じたレベルにクラスが分けられ、A1,A2,B1,B2,C1,C2の順に難易度が上がります。入学とともにテスト(筆記のみ)を受けることになり、その結果に応じてクラスが決まります。ちなみに僕は前期はB2だったので、このバカンスが明けると次はC1に進むことになります。世界中から集まる留学生の国籍は60を超えるそうで、本当に国際的で面白いです。フランス人は残念ながら先生しかいないので、フランス人の友達を作ろうと思ったら外に出なきゃいけないですがそれはそれで楽しいし、そういった機会も少なくありません。CIREFE主催のイベント(モン・サン・ミッシェルなど近隣の観光、オペラやコンサート、サッカー試合の鑑賞、ワインとチーズを楽しむ会…)なんかも気前が良すぎるんじゃないかというほど頻繁に開かれます。有料であっても高くはなく、さすが学生都市だけあって留学生のもてなしにはこなれてますね()

 
モン・サン・ミッシェル
CIREFEは安い学費(年間1200€ほど)の割に評判もよく、それは間違ってないというのが一学期通ってみての感想です。“フランス語”を多角的に見ることができるのでとても刺激的。通ってみないとわからない語学学校特有のおもしろさというのがたくさんあるので、次回はそれについてもう少し掘り下げて書いてみるつもりです、たぶん。



それでは今回はこれで最後になりますが、実は僕は大学の方でも留学記のようなものを書いていて、首都大学東京仏文教室のHPに載っています。

留学や旅、フランス語そのものに対する僕の極個人的な考察が中心ですが、より詳細にわたって書いているのでよかったら読んでみてください。今後も更新されます。


僕は来る夏に日本に帰りますが、その時に日本が、東京が、僕の目にどう映るのか少し怖くもあり楽しみでもあります。留学をするということは、二重の意味で“étranger”になるということです。これはフランス語で“外国人”や“変わり者”という意味がありますが、要は“蚊帳の外”ということ。フランスではもちろん“外国人”になるわけだし、一定期間日本を離れることは、慣れ親しんだ環境を外から見る機会を得るということです。嘘に溢れたこの時代に“本当”を見抜く練習(僕らの世代が今いちばんやらなきゃいけないこと)をする上で“留学”はこれ以上ない経験になるし、思うにフランス、そしてフランス人はその最良の舞台を与えてくれている気がします。



なんてね。

それではまた次回!




志村 響