2014年1月4日土曜日

ご挨拶&ご紹介―レンヌ

こんにちは、はじめまして。フランス北西部ブルターニュにあるレンヌというところで語学留学中の、志村響と言います。今回は初めての投稿なので、簡単に自己紹介と、僕が住んでいる街レンヌ、それから今通っている語学学校CIREFEについてご紹介します。

まずは僕についてですが、首都大学東京の2年生で、専攻は心理学です。ということで、フランス語とは本来ほとんどなんにも関係ありません()。人生わからないもので、気付いたらフランスにいました。まぁそういうことです、それでは次!

 
レンヌ市庁舎
 冒頭でも触れましたが、ここはブルターニュ地方の中心都市です。モン・サン・ミッシェルはご近所さんで、パリから観光に行く場合ほぼ間違いなく経由することになるのがここレンヌ。中心都市と書きましたが街の規模としてはとってもコンパクトで、観光スポットもあるにはありますが半日あれば全て周れてしまうし、観光というよりは住むのに適したところでしょう。治安のよさもフランスの都市の中では一番だそうで、ブルターニュ独特の木造家屋が軒を連ね、心地よい石畳が街を縫う素晴らしく落ち着いたところです。メトロは街に一本しかないというのに混み合うこともまずないし(現在二本目の路線の建設中ですが)、それでいて必要なものはすべて手に取る範囲にあるので、なんらストレスを感じることもなく(東京の千分の一くらいかな笑)、自分のペースで生活を送ることが出来ます。
 
旧市街の路地
一方、レンヌには学生都市としての顔もあり、たくさんの学生がいて彼らのバイタリティーに溢れています。静謐さと活気がいいバランスで共存しているのがこの街のすごいところ。まぁ、木曜の夜は“jeudi soir”として名を馳せていて、レンヌ中の若者が一同に会して飲み狂うので静けさの欠片もありませんが()。その辺り一帯は“rue de la soif(渇き通り)の異名を持ち、木曜の夜に通りかかると、あれ、レンヌってこんなにたくさん人いたんだっけ?という錯覚に襲われます。僕はちょっとご遠慮ですがお好きな方はどうぞ。ちなみに何で木曜日かというと、金曜の夜には親元へ帰省する学生が多いため。何をそうやることがあるのか知りませんが、こっちの学生は本当にしょっちゅう帰省します。金曜がだめなら木曜!翌朝への影響もお構いなし、システマティックで美しいですね()


ともかくそういうことなので、ここに住んでいて退屈することもありません。芸術も盛んでイベントは絶えないし、食も魅力的。ブルターニュと言えば誰もが思い浮かべるのがクレープ、そしてそば粉で作ったガレットですね。あとはお菓子のクイニ―・アマンなんかもブルターニュ発祥だそう。もちろん全部レンヌで食べることが出来ます。それから食と言えば忘れちゃいけないのが土曜のマルシェ。“渇き通り”を降りたところにリース広場という大きな広場があり、そこで毎週土曜の午前に市が開かれます。この市は“Marché des Lices(マルシェ・デ・リース)”と呼ばれその歴史は長く、フランス有数の規模とのこと。だいだいどんな食品でも手に入り、肉や魚は高いですが野菜や果物は安いです。フロマージュ(チーズ)やワイン、パンや菓子類ももちろん充実。新鮮だから美味しいし、行ってみないとわかりませんがとても楽しいです、これ。フランスいいなぁってなります。
マルシェ・デ・リース
さてさて、褒め倒したところでそろそろレンヌの悪いところでも紹介したいところですが、これと言ってありません()。まぁ雨が多いことくらいでしょうか、雨は多いです。というか本当にコロコロ天気が変わります、日本じゃ考えられないくらい。特にこの季節はどんよりしていて、あんまり愉快じゃないですね。でも緯度の割にそれほど寒くはありません。気候帯の影響ですね、雪もほとんど降りません。あとは…、レンヌの外に出ようと思ったらやや面倒です、だいたいどこに行くにもパリを経由しないといけないので。そのくらいかな?総じて素晴らしい街です。ここに住む人はみんなレンヌが好きです。
タボール公園

それでは次に、僕が通っている語学学校CIREFE(シレフ)について紹介します。正式名称を “Centre International Rennais d’Etudes de Français pour Etrangers”と言って、頭文字をとってCIREFE。位置付けとしてはレンヌ第二大学の付属なので、校舎もそのキャンパス内にあります。ここでは、DELFDALFに準じたレベルにクラスが分けられ、A1,A2,B1,B2,C1,C2の順に難易度が上がります。入学とともにテスト(筆記のみ)を受けることになり、その結果に応じてクラスが決まります。ちなみに僕は前期はB2だったので、このバカンスが明けると次はC1に進むことになります。世界中から集まる留学生の国籍は60を超えるそうで、本当に国際的で面白いです。フランス人は残念ながら先生しかいないので、フランス人の友達を作ろうと思ったら外に出なきゃいけないですがそれはそれで楽しいし、そういった機会も少なくありません。CIREFE主催のイベント(モン・サン・ミッシェルなど近隣の観光、オペラやコンサート、サッカー試合の鑑賞、ワインとチーズを楽しむ会…)なんかも気前が良すぎるんじゃないかというほど頻繁に開かれます。有料であっても高くはなく、さすが学生都市だけあって留学生のもてなしにはこなれてますね()

 
モン・サン・ミッシェル
CIREFEは安い学費(年間1200€ほど)の割に評判もよく、それは間違ってないというのが一学期通ってみての感想です。“フランス語”を多角的に見ることができるのでとても刺激的。通ってみないとわからない語学学校特有のおもしろさというのがたくさんあるので、次回はそれについてもう少し掘り下げて書いてみるつもりです、たぶん。



それでは今回はこれで最後になりますが、実は僕は大学の方でも留学記のようなものを書いていて、首都大学東京仏文教室のHPに載っています。

留学や旅、フランス語そのものに対する僕の極個人的な考察が中心ですが、より詳細にわたって書いているのでよかったら読んでみてください。今後も更新されます。


僕は来る夏に日本に帰りますが、その時に日本が、東京が、僕の目にどう映るのか少し怖くもあり楽しみでもあります。留学をするということは、二重の意味で“étranger”になるということです。これはフランス語で“外国人”や“変わり者”という意味がありますが、要は“蚊帳の外”ということ。フランスではもちろん“外国人”になるわけだし、一定期間日本を離れることは、慣れ親しんだ環境を外から見る機会を得るということです。嘘に溢れたこの時代に“本当”を見抜く練習(僕らの世代が今いちばんやらなきゃいけないこと)をする上で“留学”はこれ以上ない経験になるし、思うにフランス、そしてフランス人はその最良の舞台を与えてくれている気がします。



なんてね。

それではまた次回!




志村 響

1 件のコメント:

  1. 志村さん、はじめまして。3月からレンヌ滞在中の桑島直子と申します。たいへん興味深く拝読させて頂いています。
    もしよろしければ、連絡先をおしえて頂けますか。どうぞよろしくお願いいたします。

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