2014年7月13日日曜日

Les cours de Lyon 3

こんにちは!

稲葉です。



今、フランスの学生はバカンス中!!

先日、友達の実家にお邪魔し、南仏でバカンスを満喫してきました!

本当に最高でした!!!



[caption id="attachment_220" align="aligncenter" width="300"]バンドルのビーチ バンドルのビーチ 水がとにかく綺麗!!   多くの人で賑わっていました。[/caption]

私も、海で泳いできました!!

この時期南仏は、日没が夜10時くらいで、よく歩き回っていたので、

とても日焼けし、真っ黒になってしまいました!

[caption id="attachment_219" align="aligncenter" width="300"] ラ・シオタの港[/caption]

とっても綺麗でした!

海岸沿いにあるお店のテラスで、和気藹藹と過ごしている

フランス人の雰囲気が大好きでした!





さて、本題。

リヨン第三大学の授業を取り上げるのを忘れていたので、

今回は授業について言及していきます!



まず、学事日程。

8月下旬〜9月上旬  オリエンテーション(任意)

9月中旬〜12月上旬 前期授業

12月中旬〜1月中旬 前期テスト

1月下旬〜4月中旬  後期授業

4月下旬〜5月下旬  後期テスト

こんな感じ。



前期は、秋のバカンス(Toussaint)とクリスマス休暇、

後期は、1週間程のバカンスが2回ほどありました。

テストの日程にもよりますが、前期のテストが終わってから、ほとんど休みなく後期の授業が始まりました。

授業開始の日にちやバカンスの有無は、学部によって若干異なるので、ちゃんと確認してくださいね!



リヨン第三大学には、6つの学部があり、

私はDEUFIAE(経済・経営学部)に所属していました。授業は基本的に全てフランス語で行われます。(英語で行われるのもいくつかありますが)

SELFの英語だけのプログラムに所属している留学生もいました。





◆   オリエンテーション

前期の授業が始まる前の2週間、留学生向けにオリエンテーションが実施されます。参加は任意ですが、フランス語の授業に慣れたり、留学生と交流したりする良い機会ですので、参加することをお勧めします。

オリエンテーションは、4つのコースがあり、私は、経済・経営のコースを選択しました。フランス語とフランス文化の他、マーケティングや簿記などの講義がありました。このコースには、アジア系の学生が私以外に一人しかいなく、エラスムスの学生が多かったためか、語学が堪能な人が多く、最初は圧倒されました。ドイツからの留学生が多かったです。

一方で、あるコースでは、半分以上が日本人というコースもありました。

リヨン第三大学は、留学生の受け入れ人数が多いため、日本人もそれなりにいますが、他の国の留学生や現地学生とも深く交流することが出来ます。その人次第です!

オリエンテーションでは、授業の他にも、留学生向けパーティーやリヨンの観光地巡り、芸術鑑賞がプログラムに盛り込まれていて、留学生活の第一歩としてとても有意義でした。



◆   正規授業

留学生は、自分が所属する学部に関係なく、どの授業も履修することができます。

リヨン第三大学には、シラバスというものが存在しません!

講義名やコマ数などのちょっとした情報は、大学のサイト上で見ることが出来ます。学期が始まる直前から、時間割も見れるようになります。学部によっては、授業に関する冊子をもらえますが、書いてある内容は全てネットと同じです。

履修登録までの期間は、わりと長く一ヶ月くらいありました。最初は、とりあえず興味ある授業に数多く出てみることをお勧めします。教授の口頭説明のみの授業も少なくないので、一回目の授業に参加してみて、様子を見ると良いです。



リヨン第三大学の授業形態は二つ、

CM(講義)とTD(少人数のゼミ形式の授業)です。

TDでは、出席はもちろん、積極的な参加が求められます。問題を解くほか、意見交換やプレゼンをすることが多いです。

TDは、直接学事に行って履修登録する必要があります。人数制限がある場合もあるのでお早めに。

登録後でも、国際課で簡単に履修取り消しを行ってくれます。履修に迷った場合は、とりあえず登録してみるのも良いかもしれません。



◆   授業紹介

 ・français 

留学生必修のフランス語の授業です。学期が始まる前に、クラス分けテストが実施されます。私のクラスは、ユニークな熱気のある先生ともに、徹底的に文法や活用を学びました。宿題や小テストが多く大変でしたが、細かいこと、曖昧になっていたことをしっかりと学ぶことができ、とても力がついたと思います。また、学期に一度、8分程度のエクスポゼが課せられます。エラスムスの学生はスピーチが上手な人が多く、刺激を受けました。評価は、出席、小テスト、期末テスト、エクスポゼの結果で決まります。

ちなみに、私は、月曜8時からこの授業を履修し、毎週起きるのが辛かったです。



・ culture française

留学生必修のフランス文化の授業です。毎回、各テーマに基づき授業が進んでいきます。テーマは、フランスの地理、政治、歴史、映画、料理など、興味深いものが多かったです。また、リヨンの文化にも触れ、リヨンならではのトラブール(道と道、建物と建物をつなぐ細い道)にまつわる歴史等も学ぶことができました。先生はとても気さくな方で、リヨンのオススメのレストランなど、実用的な情報も多々教えてくれました。テストは、各学期2回。QCM(選択問題)で問題数は50〜100問と多いです。かなり細かいことまで問われます。



・marketing

CMとTDセットの授業でした。講義では、マーケティングの理論を学び、TDで理論を用いて実際の市場分析をしました。TDの授業では、積極的な意見交換が求められ、最初は圧倒されましたが、最後まで心折れずに頑張りました。市場分析では、実際のデザートメーカーや製薬会社を取り上げました。私は、現地の学生に近い市場の見方ができないことで当初苦労しました。そこで、日々の買い物で意識的に商品棚を見たり、人気商品・企業を知ることを心がけ、また、現地の友達の家に行ったときには普段どんな生活をしているか尋ねたりして、現地の市場の知識を身につけていきました。TDの授業では、数回のプレゼンも課されました。期末試験は、3時間、A4、4枚程度の記事を読み分析し、設問に答える形式で、なかなか難しかったです。ですが、非常に興味深い授業でした。



・management des entreprises

CMとTDセットの授業でした。企業の経営戦略について、事例と共に学びました。先生のフランス語が聞き取りづらかったのですが、レジュメを入手してからは予習・復習しやすく、有意義に授業を受けることが出来ました。

正規生は、大学のマイページからレジュメをダウンロードできるのですが、留学生は許可されていなく、先生に申し出てもなかなか対応してもらえず困りました。授業を何回か経て友達と連絡をとれるようになれれば問題ないのですが、最初は悩まされていました。

・  japonais économie et entreprise

CMの授業でした。戦後の日本経済発展を、現地学生に混ざって学びました。あまり面白い授業ではなかったのですが、専門的な経済用語を知ることができました。また、この授業により、日本に興味をもつ現地学生と交流するきっかけをもちました。



・publicité et société

CMの授業です。広告の歴史や、広告作成までの過程、広告の社会的役割・影響など、広告全般に関する授業です。板書がなく、前期に履修した授業なので、自分でノートをとるのはとても大変でした。現地の学生にお願いして、ノートをもらえたのは良かったのですが、A4で60枚と膨大な量でした。



・écomonie des médias

CMの授業です。ベルクール広場の近くにある、リヨン第三大学のキャンパスで開講していました。メディア経済の授業で興味深かったのですが、パワーポイントの文字数が多く、どの情報が重要なのかを瞬時に見分けることがフランス語では困難だったため、効率よくノートを取ることができませんでした。授業では、細かいデータが頻繁に出現し、現地の学生は全てメモしていたので、テストを恐れていたのですが、テストでは、大問が数題で、大まかな流れを把握できていれば、対応できるものでした。



・ japonais thème / version / traduction

日仏翻訳の授業です。1年生からマスター2年生までの授業があるので、自分のレベルにあったものを選ぶと良いと思います。私は、主に3年生の授業を履修しました。私が履修した授業では、ニュース記事や小説、評論の文章を翻訳し、テーマも様々でした。特に興味深かったのは、日仏の文化の違い、フランス人から見た日本人という内容の記事でした。翻訳していく中で、現地学生や先生と意見交換することも多々ありました。細かいニュアンスや、自然な訳し方を学ぶことができ、翻訳の奥深さを感じました。



・その他にもいくつか授業を履修しました。







◆ 授業を終えて

留学中、講義の授業で起こりがちだったのが、ノートを取ることに精一杯になってしまうこと。スライドの多い授業では、ひたすらキーボードを打って授業を終えてしまうこともありました。家に帰ってから、そのノートを見て、辞書を使って復習。でも、これなら、友達にノートをもらって、授業に出席しなくても同じなんじゃないかと、ふと思うようになりました。

それ以来、ある授業では、教授の話を聞くことを第一にし、その中で重要だと思った点をメモするようにしました。後から、現地の学生にノートを見せてもらいましたが、重要なポイントはある程度把握できていたので、以前よりも復習がしやすくなりました。

なにもかもに手を出すのではなく、何が重要で自分がどうしたいのかを再度確認し、ある程度割り切る潔さも大切だと実感しました。



フランス語での授業は大変でしたが、徐徐に理解できるようになったり、TDの授業で意見交換に参加できるようになったり、前と比べたらずいぶん成長したと思います。

日々のちょっとした成長は、なかなか気づきにくく、自分にうんざりすることも多々ありましたが、それを乗り越えて、こうして今となっては自分の成長を感じることが出来てとても嬉しいです。



留学中、勉強は自分なりに頑張りましたが、勉強以外のことも大切にしていました!

友達とご飯食べたり、パーティーしたり、オーケストラ活動に参加したり、美術館やオペラに行ってみたり、旧市街ふらふらしてみたり、旅行したり、いろんなことしていました。勉強はもちろん大事でしたが、それ以外も私の中では同じくらい上位を占めていたので!

せっかくの留学なのだから、今しか出来ないことを満喫しようというスタンスで日々生活しました。その結果、充実した留学生活を送れたと思います。



ただ、どんなことにも、語学がもっと堪能だったらという想いは付き物だったので、留学前に語学力をつけておくことに越したことはないです。



[caption id="attachment_218" align="aligncenter" width="300"]ONLY LYON ONLY LYON[/caption]



今回は、この辺で!

近々、また記事書きますので、お楽しみに !!



Yuna INABA

2014年5月20日火曜日

Les cours de Sciences Po

“À très bientôt:)”

と前回記事にて元気に言っておきながらとてつもなく長い時間が過ぎてしまいました。前回が12月、今回は5月ということでほぼ半年でしょうか。うわあ…すみません。

寒い冬から季節は変わり、待ちに待った春がパリにもやってきました!:)

@Petit Palais@Petit Palais
 

実は先日Sciences Poでの最後の期末試験も終わり、季節的にも気分的にも、春です!:)

 

さて今回は、前回宣言したまま放置していたSciences Poの「授業」について書きたいと思います。

 

(A)   Grandes Écolesとは?

前回記事でも少し言及しましたが、Sciences PoはGrandes Écoles (グランゼコール)と呼ばれるフランスの高等教育機関の一つです。ここでフランスの教育制度について詳しく言及…したいところですが、私の意見云々含めて書くと膨大な量になるので、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。これが一番わかりやすく説明してくださっていると思います。(ただしGrandes Écolesの一例にSciences Poがないのは心外…!歴代フランス大統領がたくさん出ているところなのに…!)

 

フランスの教育制度:

http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/4786-education-system-in-france.html

 

Grandes Écolesの中でもSciences Poは特殊なものにあたります。その一例が、Classes préparatoiresがないこと。つまり日本の「高校」にあたるLycéeを終えた後、試験にさえ合格すれば、準備期間を経ずに入学できるということです。Classes préparatoiresには相当な金額が必要になるようで、これを行わずに入学できるようにする、という方針は、社会格差による不公平を是正しようとする動きの一環らしいです。まあつまり、お金持ちだけではなく、お金がなくても優秀な人を入学させてあげよう、ということですね。ちなみに入学後の授業料も累進制です。友達には一円も学費を払っていない人も全額支払っている人もいます。

 

(B)   Sciences Poの基本ルール

le jardin de Sciences Pole jardin de Sciences Po
入学後は3年間が学士課程、2年間が修士課程に割り当てられ、学士の3年目には必ず「フランス以外の国で留学またはインターンをしなくてはならない」というのがSciences Poのルールです。交換留学生の私たちは、たとえ自国の学校で3年生だろうと4年生だろうと、学士の2年生と共に授業を受けることになります。下手すると自分よりも3歳くらい年下の人も同じ授業にいます。そして彼らは本当に優秀です。とてもとても焦ります。

 

また、前の記事でも多少言及しましたが、Sciences Poは大変国際化が進んでおり、生徒の30~40%はinternational studentsだと言われます。そのため、どの授業に行っても世界各国の学生がおり、私がとっていた授業の中には生徒全員国籍がちがう、なんてものもいくつかありました。

 

(C)   Sciences Poの授業(for 交換留学生)

基本的に授業は一コマ120分。授業には大きく分けてLecture, Seminar, Electiveの3種類があり、Lectureは大講義+20人規模のカンファレンスのセット:Seminarは30~60人くらいの規模の授業:Electiveは15~20人程度の人数で行われる授業です。一クラス(120分の授業一つ)が5単位に換算され、交換留学生の私たちは最大35単位まで履修登録することが可能になります。この他に、語学のクラス(ほとんどの人がフランス語を履修します)やスポーツ、アートのクラスをプラスアルファで履修することができる、というかんじです。

 

意外と授業のコマ数は少ないのですが…なんといっても課題量が半端じゃない…!たとえば前期に履修していた「International law」の授業では、毎週100頁くらいの膨大なreadingがありまして。ほとんどが条約の原文やら大昔の誰それが書いた論文やらで、何だかとっても読みたくない…毎週ひいひい言いながら読んでました。ふう。要領のよろしくない私の場合は授業の予習復習に本当に時間がかかっていたので、それにessayやExposeが課されたり、同じ週にテストやら課題の締切やらが集中したりすると半泣き。でも頑張ればなんとかなるものですね。

 

交換留学生はどの分野からでも好きに授業を選ぶことができるので、本来は法律学科の私も、国際法等の法律の授業に限らず、欧州の福祉制度比較や家族社会学等、興味のあるものをたくさん履修することができました。一つ一つの授業を振り返ると量がおそろしいことになりそうなので割愛しますが、総じて感じたことを少しまとめます。

 

(D)   個人的に感じたこと

(1)   Method重視

Sciences Poが、というよりもフランス人が形式主義だからなのでしょうか?どの授業においても、methodが本当に重視されているなあ、と感じました。最初のオリエンテーションでいやというほど聞かされた”Sciences Po style”なるものを、ほぼ全部の授業でひたすら守り続けるかんじです。はて、Sciences Po styleとはなんぞや。簡単に言うと、(a)「イントロ+2大段落2小段落+結論」の構成を守る (b) イントロ部分に必ず”problematique”(自己設定した疑問、問いかけ)を組み込む (c) すべての段落の長さがだいたい同じになるようにする、といったものです。冒頭のproblematiqueと結論がきちんとつながっていない論文はクソだそうで、「理路整然と」「美しく」論文を書き上げることが求められているそうな…うーん。クリエイティブなアメリカの皆さまはぶーぶー文句を言っておられました。が、これもやってみれば慣れるものですね。正直はじめはめんどくさいなと思っていたのですが、人を説得する、あるいは人に何かを説明するための文章を書くのに、相手が読みやすい美しい構造で簡潔に書くことは必須要件ですし、いい練習になりました。期末テストでもこの形式に従ってessayを書くことが求められることが多かったです。

 

(2)   ヨーロッパ目線(フランス目線)

フランスにいるので当たり前なのですが、授業のすべてがヨーロッパ目線で語られるのはとても面白かったです。一例として「International Relations during 20th century」という授業を挙げます。だいたいが聞いたことがある世界史(第一次世界大戦~冷戦終結、湾岸戦争あたりまで)ではあったのですが、語り口はやっぱりヨーロッパ目線。それぞれの国の対戦における思惑やリーダーの思想をがっつりと学べましたし、目線が日本の外にあるので、日本を客観的に見ることができた気がします。満州事変とか21か条の要求とか日本ぼろくそ言われすぎてて思わず笑ってしまいました。完全に悪者。(まあ悪者ですけど…) 個人的に興味深かったのはフランスの外交政策。経済力や軍事力では到底アメリカに対抗しえないはずのフランスがどんな手段を使って国際社会の中で地位を維持してきたのか、というトピックは特に面白かったです。

 

(3)   教授と生徒の距離

基本的に授業が少人数なので、授業が教授の演説のみで終わることは絶対ありません。大講義はそうなりがちですが、それでも生徒の発言を授業に組み入れていました。授業中の意見交換もさながら、授業前後に質問してもどの先生もとても丁寧に対応してくださいますし、essayにもたくさんのダメ出し(笑)をしてくださいます。さらに感動するのは成績の付け方。日本の大学は単位だけ書いて、はい、おしまい。が定番ですが、Sciences Poの成績表は先生が生徒一人ひとりにコメントを残してくれます:) 先生がちゃんと見てくれていたんだなと思うと、次も頑張ろうって気になりますよね。

 

少しSciences Poの授業のイメージをつかんでいただけたでしょうか?:)

この記事が少しでもみなさんのお役に立てばいいなと心から願ってやみません。

 

またÀ bientôtとか言っといて更新しない、という事態が怖いので笑。

Thank you for reading this article:) Hope it arouses your interest in studying in Paris (especially at Sciences Po)!

 

 

青木洋子

慶應義塾大学法学部法律学科3年

パリ政治学院(Sciences Po)

2014年3月26日水曜日

フランス語のすすめ

こんにちは、CIREFE在籍の志村です。

今回は「フランス語のすすめ」と題して、生意気にもフランス語プチ講座をやっちゃおうと思います!もっぱら“発音”に焦点を当てて書いてみるつもりです。なぜこんなことを思い立ったかというと、日本で出回っている参考書の類があまり信用ならないからですね。ちなみにその元凶は“カタカナ”です。

 

さて、突然ですがカタカナと英語の距離感について考えてみました。それでわかったのが、英語とのこの可もなく不可もない絶妙な距離感こそが、外国語は全てカタカナで置き換えられるという幻想を日本人に抱かせてしまったんじゃないかということです。

 

どういうことか?例を見てみましょう。

 

“現代芸術”を英仏で比べてみます。

 

英:Contemporary Art

コンテンポラリー アート

 

まぁ、細かいところをつっこまなければいいとしましょう。

では次、

 

仏:Art Contemporain

アール コンタンポラン

 

ちょっと待った!

これです。こういう悲劇がフランス語ではあり得るのです。

 

フランス語をちょっとでも知っている人ならわかると思いますが、ここにはいくつものトラップがあります。まずは鬼門と言われる“r”の音。喉を使って発音し、いろいろな表情を見せるユニークな音ですが、「アール」は論外。“Art”を正確に記述できるカタカナは残念ながらありません (“r”の発音についてはこれといってコツというのもありません。よく聞いて、真似をする。練習あるのみですね笑)。さらに“Contemporain”、これには“r”も然ることながら、鼻母音(鼻を通して発音する母音)と呼ばれるフランス語独特の母音が豪華3点セットで盛り込まれています。ここでは“on”、“em”、“ain”がそれに当たりますが、「コンタンポラン」と言ってしまえば“em”と“ain”の区別がなくなっています。それに“em”は、どちらかというと「オン」に近い音です。

 

そういうわけで、カタカナを信じてはいけません。というかフランス語を勉強する上でたいして有効なツールでもありません。英語の場合にどうしてカタカナが役に立つかというと、発音規則がすこぶる曖昧だからなんですね。綴りを頼りに単語が読めない。だから近似でもいいからカタカナが役に立つ。けれどフランス語では、一度発音規則を覚えてしまえばあとはだいたいその通りに発音できるので、カタカナはそもそも必要ないということです。アクサン記号なども最初は厄介ですが、つまりは正しい発音への道しるべであり、覚えてしまえば味方です。だからまずは、発音規則をちゃんと覚えましょう!

 

それが出来たら、個々の音に注意を向けてみましょう。例えば“eu”と“ou”の綴りでは、敢えてカタカナで書けば両方「ウー」ですが全く違う音です。“humeur”は「機嫌」という意味ですが、“humour”は「ユーモア」という意味です。このように、微妙な発音のずれで意味が変わってしまうものが鼻母音に限らず多くあるのがフランス語の特徴。裏を返せば、英語の約半数くらいの量しかない語彙を発音の厳密さで補っているとも言えます。音に敏感になるべきというのはもちろん綺麗に発音するためでもありますが、同時に正確に聞き取るためでもあります。ちゃんと区別ができないとちゃんと聞き取れません。

 

それから、フランス語の性格について考えてみると面白いことがわかります。というのも、とかく特殊な音として扱われがちの鼻母音ですが、実際はそんなこともなさそうなんです。そもそも日本語や英語とフランス語では、喋るときに使っている口の部位が根本的に違います。これは感覚的なものなので言葉で説明するのは難しいですが、一般的なフランス人(と一応断るのは、移民系のフランス人にはあてはまらないから)のフランス語では、口の奥、口腔と鼻腔が分岐するあたりから音を出しています。試しに鼻歌を歌ってみてください。はい、そこです。対して日本語では口全体を広く使い、英語では舌の上あたりしか使っていない気がします、なんとなくですが笑。ともかく、フランス語は鼻を使って喋る言葉です。だから鼻母音は決して特殊な音ではなく、たまたま「アン」とか「オン」とか言おうとしたらそういう音になっただけであり、他の音だって鼻を使うのです。

 

 

では最後にまとめますと、

①発音規則をしっかり覚える

②それぞれの音を意識ししっかり区別する

③風邪を引いたようなつもりで鼻を使って話す

 

これであなたもきっと、

フランス人のような発音ができるようになります(責任はとりません笑)

 

 

それではまた!

 

 

 

志村 響