2013年12月11日水曜日

ESSEC授業紹介―フレンチカルチャー

こんにちは!エセック留学中の榎本です。

今日は実際の授業の紹介をしたいと思います。
そもそもエセックとはどんな学校なのかといえば、フランス実業界へのエリート輩出を目的として設立された商業系グランゼコール。

(画像:intelligent HQ
というわけで、自然とビジネスに寄った授業が多くなります。
そのなかで今学期僕が受講・聴講しているのは、マーケティング、ブランドマネジメント、ファイナンス、EU、フレンチカルチャー、語学に関する授業。
単位をとれない授業もあるので一部は聴講という形をとっています。聴講に関してはその都度教授にお願いして受けさせてもらっていますが、さすがフランス人、熱意を伝えれば枠にとらわれず気さくに答えてくれます。(ただし、自分が認めないこと・ものには冷たいのもフランス人。英語で話しかけると印象が悪い、というのもそこに由来するのかなと思います。スタートはフランス語でがんばりましょう!←)

さてさて。今回はフレンチカルチャーに関する授業を紹介します。

この授業は相当良くできていて、フランスの産業・芸術・歴史について多様な実体験(産業理解の一環として多様なチーズを食べ比べしたり、講義で出てきたゆかりの地を週末に訪れたり)を以て講義してくれ、2回の講義内テストを終え今週最終テストに向け勉強している今、なんだかフランスをマスターしたような気分になってしまっているという素敵なクラス。特に僕はフランスの高級品産業の成功に関心が強いので、フランスラグジュアリーブランドの発展史とマーケティングの現在についてはかなり面白かったです。

授業の様子
フランス人がフランスを外国人に伝えるときどこに力点を置くのかという意味で参考になると思うので、講義のテーマを挙げていきます。

1. フランス地域圏―それぞれの自然・産業・歴史を中心に
ヨーロッパではロシアに次ぐ国土面積をもつフランス、季候も多様とあって地域ごとに色彩が全く異なります。パリの属するイル・ド・フランスほか、ノルマンディー、ロワール、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール、ローヌ・アルプ、ブルゴーニュに時間が割かれていました。
 
ロワール、シュノンソー城。パリからTGVで1時間半のロワールでは、古城巡りを楽しめる
2. ワイン・チーズ テイスティング&ブランドマネジメント(週末にシャンパンの生産地であるシャンパーニュを訪問)
ワイン・チーズの多様さ・生産の厳格さと、ブランドマネジメントのなされ方について。
多様なワインからどれを選びどのチーズとあわせるか、かなり切り込んで学んだので今後デートに使わせていただきます。笑 厳格な生産管理に裏打ちされた高級ワインのブランド価値についても勉強になりました。

3. 歴史的建造物(週末に数々のフランス王が愛した地、フォンテーヌブローを訪問)
フランスを彩る多様な建造物に関連した歴史について。コンコルド広場、ヴォージュ広場、凱旋門、カルーセル門、ルーブル、デファンス門、ヴェルサイユ宮殿、フォンテーヌブロー宮殿に多くの時間が割かれていました。授業で学び気になったらすぐにパリへ見に行けるというのが素晴らしい。
凱旋門下で毎日、第一次世界大戦で戦死した兵士へ追悼の火が灯される。刻まれたフランス語に"un"(一人の)とあるが、これは"一人の兵士を、全ての兵士の象徴とする"という考え方による
ジャンヌ・ダルク像
(ルーアンのジャンヌ・ダルク教会にて)



4. フランス史―人物を切り口に
フレンチヒーロー・ヒロインたちの歴史解釈。シャルル・ド・ゴール、フーシェ、ナポレオン、ルイ14世、ジャンヌ・ダルクに多くの時間が割かれていました。アンシャン・レジーム下で身分が明白に分かれ、フランス革命が起きた国。時期や視点によって英雄が悪役とみなされ得る点が大変面白いです。この文脈で、ヒーローとは何か、という哲学的なディスカッションも行われました。(ちなみにフランス人は哲学大好きです。理屈っぽいです。)






5. 高級品産業―衣料・革製品
1960,70,80,90年代、そして現在それぞれのファッションの特徴と、世界への波及について。フランスを起点としてファッションへの情熱が世界に広がっていた過程に納得。個別ブランドとしてはシャネル、イヴサンローランに多くの時間が割かれていました。
LVMH傘下、ルイ・ヴィトン本店(シャンゼリゼ通りにて)

6. 高級品産業―香水・その他
香水、時計・宝飾品、その他小物について解説されたほか、ラグジュアリーブランドのブランド形成・維持について。フランスの美的感覚に対する世界の評価を維持し発展させるために、香水のような手に取りやすい(購入しやすい)小物はブランドの象徴としても活用される。面白いですね。

7. 絵画―印象派を中心に(週末に印象派画家モネが晩年を過ごしたジヴェルニーを訪問)
人物を切り口に、フランス絵画史と現代社会における芸術のインパクトについて。モネ、マネ、シスレー、ドガ、ゴッホに多くの時間が割かれていました。また、絵画に限らず過去のものであるはずの芸術が、現代社会でフランスのイメージを形作り産業として経済効果をもたらしている点の解説が面白かった。ところで、気になった作品はすぐに美術館に見に行けるところがやはりすごい。
ルーブル美術館メインエントランス。ガラスのピラミッド下

8. その他の芸術―文学・彫刻を中心に
人物を切り口に、詩や小説、バレエ・オペラ、そして彫刻の歴史と現在について。彫刻家ロダンとカミーユに多くの時間が割かれていました。


そのほかプレゼンとテスト(今週末に3回目。これで終わり)がありますが、テーマはこんな感じ。
授業のテーマからして当たり前ですが、最もフランスらしい授業。フランスにいる・フランスで学ぶ利点を最大なものにするための、大事なベースがつくれたように思います。

今後他の授業、特にビジネススクールらしいものも触れていきます。
それでは! 


榎本高之

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