はじめまして、こんにちは。
昨年8月末からESSEC Business Schoolに留学中の福田真子と申します。
日本では慶應義塾大学に在籍しており、ミクロ経済学を中心に学んでいました。こちらのブログにはお世話になったので、今度は自分が書く側になったと思うと感慨深いです♪
ESSECについては先輩が詳しく書かれているので、今回は簡単にご紹介したのち、
①Global BBA Programについて ②Cergyについて ③授業について
を中心にお送りします。;)
⓪ESSECってどんな学校?
ESSECとはフランスの商業系グランゼコールのひとつ。グランゼコールとはフランス特有の学校制度で、理工学・商学・政治学等のみ設置されているエリート養成機関。日本語では大学院大学と訳されることが多く、他にはシアンスポやエコールポリテクニーク、HECなどがこれに属します。ESSECはラグジュアリービジネスに関して強みがある学校です。
また、ESSECの先生から伺ったお話なのですが、ESSEC内で学士→修士と進めるのはトップの2,3人だけなんだそう。これはESSECが生徒に多様な環境を経験させたいと考えているためなんだとか。学士課程で2度の留学が必修であることからもこのことがうかがえますね。
①ESSEC Global BBA Programについて
BBAとは"Bachelor
in Business Administration"の略で、経営学の学士課程を指します。
(グルワでもよく使われるカフェテリア)
BBA Programでは留学生が全体の約30%を占めます。秋学期は3,4年のCergy + Singapore trackの正規生が500人に対して、留学生は250人でした。正規生は半期ごとの交換留学・インターンが必修であり、半期留学生が多いのもあって、Cergy campusにいるメンバーがワンセメスターごとにガラッと変わるのも特徴的です。
授業は多くても1クラス40-50人程度で、ほぼ全てのクラスで5人ずつに分かれてグループワークを行います。そして、このグループワークが最終評価の40-60%を占めます。また、ほぼ全てのクラスが英・仏語両方で開講されているので、フランス語未習者でも好きなように履修を組むことができます。(ただしスペイン語・中国語などの語学クラスはフランス語のみのことが多いです。)
②Cergyについて
(キャンパス近くの公園の風景)
(9月ごろやっていたお祭り)
キャンパスのあるセルジーはパリから北西に30km離れた場所にあります。パリまではRERという高速鉄道で40分程度なので、休日には美術館やショッピングなど気軽に楽しむことができます♪(よく言われる話ですが、フランスは学生証を見せると無料で入れる美術館が多いので、アートや歴史に関心がある方にはオススメです。)
イメージとしては、パリが東京ならセルジーは千葉っぽいところで、華やかさはないけど便利な住宅街です。駅・学校・ショッピングセンターが近接しているので、授業前後に用事を済ませやすいところも気に入っています。運が良ければ近くのスーパーは日曜祝日特別営業していることも!駅からシャルルドゴール空港まで直通のバスが出ているのもいいところですね。
ただし治安はあまりよくないので、夜はできるだけひとりで出歩かないようにしていました。
③授業について
授業は一コマ3時間で、途中15-30分程度の休憩があります。
とはいってもずっと講義形式で続くのではなく、半分はグループワークやプレゼンに充てられることが多いので、実質的に教授が話している時間は日本と変わらないと思います。
ここでせっかくなので、私が先学期履修した授業を一部紹介します♪
≪Communication≫
プロモーションについての授業。前半は講義形式、後半はグループワークで、毎回最後にランダムでプレゼン。評価は、授業内グルワが15%、中間課題(グループ)が25%、テストが60%という配分です。
グループワークでは、マクドナルドやコカ・コーラ、Apple WatchやKIKO(ミラノのコスメブランド)、Airbnbなど様々なプロモーションを取り上げて、
“①ブランドの状況分析 ②マーケティング/コミュニケーションそれぞれのターゲット設定 ③マーケティング/コミュニケーションそれぞれの目標設定 ④コミュニケーション内容の設定 ⑤プロモーション手段やメディアの設定 ⑥結果評価”
という枠組みで分析していました。
先学期取った中では一番講義が整然としていてわかりやすく、畑違いの私にとってありがたい授業でした。毎回このフレームワークを使って考えることでマーケティングでの考え方に少し慣れることができ、他の苦戦していた授業にも役立てることができました。
≪Luxury Marketing≫
ESSECの看板授業、ラグジュアリーマーケティング。履修登録のときには1分経たず満員になってしまう人気っぷりで、取れなかった子から“I’m jealous of you!! Why did
I come to ESSEC⁉”ってよく冗談交じりに言われました(笑)
この授業では、Luxury Brandの特徴や消費者行動、プロモーション、ブランディングやリテイリングについて学んでいきます。評価は、中間課題(グループ)が35%、エッセイが50%、テストが15%で個人評価の比重が大きめです。
グループワークは、あるファッションブランドのリブランディングを考えるものでした。
エッセイは2パートに分かれています。前半は事前に決められた5店舗+任意の2店舗に“客として”行き、
「①店舗の環境(デザイン、音楽など) ②他の顧客(特徴やどんな会話をしているかなど) ③販売員(ドレスコードや振舞いについて) ④商品の扱い方やストーリーテリング(セールストーク)」
のフレームワークに沿って分析します。
このパートで難しかったのは客として振舞いながら分析する視点も忘れちゃいけない点ですね!ESSECの生徒だとバレたら負けです(笑)。なので、「母の誕生日に渡す時計を探していて…母はこんなデザインが好みで、予算はこれくらいで…」というように、細かく設定を作りこむのが重要です。ちなみに私の指定店舗はDior(3店舗)とCartierとShang Xiaでした。
後半は、講義と前半パート・過去の経験をもとに、「ブランドはどうやってLuxury Experienceを作っているのか?」について書きます。
個人的には一番楽しみにしていた授業で、講義もブティック巡りもとても面白かったです。なかにはDiorやChanelでのセールス経験のある生徒さんもいたので授業内でのディスカッションが興味深かったです。
④最後に
私自身がESSECに決めた理由は大きく二つあります。
ひとつは、中高生の頃60年代のフランス映画が大好きで、その土地で生活者として、かつ学部生として興味のあることを学べるのは交換留学が利用できる今しかないと思ったこと。
ふたつめに、ミクロを学んでいて、実際に企業がどんな過程を経て戦略を立てているのか別の側面から学んでみたくなったこと。これはビジネススクールに絞った理由になり、その中でもブランディングに興味を持ったのがESSECに決めたきっかけです。
実際フランスに来てみて、自分で決めた“専門外の分野・違う形式”という理由でかなり苦しみましたし(当たり前)、なんのために来たのかな…情けないな~と思ったこともあったけれど、段々慣れてきたら個々の授業の繋がりや面白さを見出す余裕もでき、結果的に良い秋学期を過ごせたと思っています。
以上、ESSECでの生活について書きましたがいかがでしたでしょうか?ESSECはもちろん、フランス留学に興味を持ってくださる方が増えたら嬉しいです。それでは♪
福田 真子
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